あのころのわたし


可笑しいな

笑ってるのに 息苦しい


文字を押す手が止まった
少し 考えたのち ぱたんと閉じた

その先はどうする
返ってきた言葉をどこにしまう

話す必要はない のかもしれない


浴槽の中 水の中
耳を済ませ 肌で感じて 顔をあげた

苦しい
熱い

死ぬ必要はなかった



頭に思い浮かべる
本当に必要なこと それから 必要のないこと

僕はそこで 動けなくなった


僕は、苦しむために生きてるんじゃない


僕は、苦しむために生きてるんじゃなかった


貴方を忘れるころに私を殺しに来て


そんな姿を見せたくないよ


晴れた日でした

雲一つありませんでした


おひさま おひさま
どうか、その熱い視線でこの僕を、あるいは世界を
溶かしてください

いつか終わりの来るすべてのものを


この世に人間として生まれたことこそ、最大の失敗

出会いと別れを繰り返す日々
持て余した感情は、笑うことに慣れ 悲しむことに怯えていくの
いつか訪れるものを待ちながら

逃げることなんて出来ない

楽しむことを忘れたら終わりだ


話せる口があって良かった
他愛無い言葉が流れ出るたびに、なんだか重りも流れた気がした


ぷくりと膨らんだその中に何が詰まっているんだろう
振れれば、痛い

口から吐き出されなかった何かが、そのなかに溜まってくの
無理につぶせば 痕が残るよ


相手を傷つけるだけの感情なら
いっそ胸の中にしまっておこう

ゆっくり消化し尽くして
残った灰色のかすをしまっておこう

それがきっと僕のため
それがきっと一番良いんだ……





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